2003.5.19 - 5.25BACK
ガラスに描いて 永井廣美
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ガラスにダイヤモンドポイント彫り
H 120mm Di 180mm
他の作品は、個展の記念として自費出版した写真集
「Diamond Point Engraving stippling and scrathing Hiromi Nagai Works」にまとめてあります。

ダイヤモンドポイント彫りは紙に鉛筆で絵を描く様に、先端にダイヤモンドが付いているペンでガラスに傷をつける事で描いていきます。鉛筆は影を描いていくのに対し、光を見て表現していくという対照的な作業であるのと、消すことができないという特徴があります。

手彫りのダイヤモンドポイント彫りには、スクラッチング−線描−とステップリング−点描−の二つの表現技法があります。

スクラッチング−線描−は現代ではダイヤモンドの粒子が先に付いているペンで見えない様な線を重ねていく事で絵を描く表現技法です。厚いガラスにも負けない大胆な力強い表現も可能にします。今、「グラスリッチェン」と呼ばれているのもその一つです。

ステップリング−点描−はダイヤモンドの小片が付いているペンで、見えないような点を点刻し重ねていく事で描くという表現技法です。現代では一部の作家を除いてはほとんど使われない技法ではありますが、非常に細かい作業のため絵画的表現が自由で、かつ他の技法では不可能な繊細な表現を可能にします。肉眼では見えにくいほどやわらかで、光をあてるとくっきりと浮かび上がるものが最も美しく効果的と言われています。電灯のなかった時代、蝋燭の炎の中でどんなであったろうと思われます。

永井廣美
*永井廣美作品集は、平成16年度JaGra(社団法人日本グラフィックサービス工業界)作品展にて、印刷時報株式会社賞を受賞しました。
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